SSブログ

動輪のブレーキ改造3(ブレーキシリンダーの製作) [改造(本体足回り) ブレーキ]

前回は設計で終わってしまったので、今回でブレーキシリンダーを完成させます。
さて材質ですが、本当なら真鍮の丸棒を利用して作りたいところです。旋盤も持たない自分
ですから、旋盤加工が必要な金属は使用できません。なので必然的に樹脂となりますが
接着性を考えるとプラ板等のスチロール樹脂を使用して製作する事にします。これなら
プラモデル用の接着剤でシッカリと接着できます。

・材料の切り出し
板物は1mm厚のプラ板から切り出します。シリンダーの先の方のバネが入ったテーパー部分は
プラ板を重ね合わせてから削り出し製作する事にします。
切り出す円盤は中心に0.6mmの穴(Φ15の2枚だけは貫通させない)を開けてセンターリング
しています。また、テーパー部の円盤は綺麗に仕上げていません、この後に加工しますので。
DSC01499.JPG

・蓋の製作
単純に貼り合わせるだけですが、1mmのプラ板の間に0.3mmのプラ板を挟んでいます。
これはシリンダーと蓋の間のパッキンが挟まれていて少し隙間が空いていますから、これを
再現するために0.3mmのプラ板を挟みました。
DSC01501.JPG
また、ディティールの追加として蓋がドーナツ状の部分(左図の黄色部分)がありますから
0.5mmのプラ板を貼り付けて再現してみました。なお、リングを付けるのは後(テーパーが
無い方)のみです。
fig.jpgDSC01502.JPG
〓 出展 グランプリ出版 蒸気機関車 メカニズム図鑑 〓

・テーパー部分の製作
小さい円盤を積み重ねていきます。1mmの物を7枚重ねまずは7mmの厚さまで積み上げて
細い部分が5mm、太い部分が7mmになるように削って行きますが、まず重ねたら中心に
2mmの穴を空けて、M2のビスを通してナットで固定します。
かなりゴツゴツしていますが、ここから削り出しますから問題ありません。
DSC01503.JPG

・ビスをドリルのチャックに噛ませてヤスリを当てて削り出す
ここから、ちょっと荒技です^^;先ほどの積み重ねた物をドリルに噛ませて、粗めのヤスリで
ラフに整形してから寸法通りに削り出して行きます。
DSC01504.JPG

・蓋に接着して完了
削り出したテーパー部に0.5mmのプラ板を追加して(これで丈が7.5mmになります)Rを
付けて滑らかにします。
このテーパーを蓋部分に貼付けて、穴をΦ3.2まで拡大して蓋部分は完成です。
(前回の図ではΦ3になっていますが、塗装の皮膜等を考慮しΦ3.2としました)
DSC01506.JPG

・シリンダー胴と蓋を接合する
シリンダーの胴部分は10mmでパイプをカットします。カットした物を、センターを合わせ
ながら前後の蓋を接着します。
DSC01507.JPG
DSC01508.JPG

・取付ベースの接着
ベースは単純に四角に切り出した1mmのプラ板ですがこれを胴部分に取付けます。
なお角はRに面取りしていますが、図鑑からの図にある取付穴はまだ空けません。何故なら
まだ取付方法決まっていないんです^^;
DSC01509.JPG
DSC01510.JPG

・ダミーボルトの追加
ここまで出来ましたがイマイチでリアリティが足りません、なのでダミーボルトを追加
しました。
実機は反対側にもボルトの頭が出ているのですが、この部分は省略しちゃいました^^;
DSC01511.JPG

これでシリンダー側が完成しましたので、ピストンからのシャフト系の製作に移ります。

なんですが・・・・・・

・設計し直し
何度やっても、半田付けが上手く行かないのです。設計段階で無理あるなとは思っていま
したが、やっぱり思うように行きません。
なので、この部分は設計変更を余儀なくなりました^^;結局、ここの部分の作りは下図の
ようにすることにました、忠実に(?)再現したいと思いましたが仕方ありません。
main_brake_cylinder_shaft2.jpg

・気を取り直してピン受けを製作
U字型にすることでシャフトへのダイレクトの半田付けをせずに済み、センターリングや
傾きなどに悩まされること無く製作できます。
まずは3mm幅に真鍮板を切り出して曲げ加工した後に穴開けして、1.5mmの穴回りの
R部分をヤスリで仕上げます。
DSC01512.JPG

・シャフトに埋め込むピンを立てる
シャフトにはピンを打ち込む形で保持することにしているため、U字の底に穴が空いて
います。
この穴に1mmの真鍮線を半田付けしてシャフトに埋め込みます。ピンの長さは任意の長さで
構いません。
DSC01513.JPG

・シャフトに埋め込み用の穴を空け、ピン受けを取付る
シャフトの中心に1mmの穴を空けますが、深さはピンが全て埋まるぐらいの深さを掘り
込みます。穴開け後にピン受けを嫌気性接着剤で接着します。
DSC01515.JPG

・押し棒止めの取付
押し棒止めは5mm径のプラ棒を2mm厚にカットして3mmの穴を空けて製作します。
ディティールアップに書籍引用の図にあるような形に、仕上げてみました。
DSC01516.JPG
これでシャフトも完成しました。

いや~、ピン受けの作り直しで時間を取られ、日曜中でのアップが出来ませんでした^^;
でも何とか完成です。こんな感じです、まだ未塗装ですが何とか良い感じにはまとまった
カナと思っています。
DSC01517.JPG
シャフトが長いですが、これは全体の設計が進んでおらず、シャフト長が見えないので
長めにしています。

次回からブレーキのメインアームの設計をしたいと思います。ここも機構的に難しそう
ですが、ジックリと検討して乗り切りたいと思います。

製作も終わりましたので。

本日、これにて休工。

nice!(73)  コメント(23) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 73

コメント 23

suzuran6

是非3Dプリンターなるものを導入して楽をしてください!!
私はその様子を見ながらどうするか決めさせていただきます(笑)

なかなか良い形に仕上がっていますね。

by suzuran6 (2014-09-15 16:16) 

ja1nuh

イヤーかっこいいですね。 私のアンテナとは大違い、爪の垢を煎じさせてください。
by ja1nuh (2014-09-15 16:37) 

green_blue_sky

細かい作業。写真なら大きく見えますが、実物だと見えない(^_^;)
目が痛くなりそう。
でもブログを読んでいると、興味がわきます~
by green_blue_sky (2014-09-15 17:37) 

kinkin

>suzuran6さん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
3Dプリンター使うとなると、3DのCADを入れないと・・・・・プリンタもさることながら
CADソフトまで資金力が・・・・・^^;

>ja1nuhさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
いえいえ、自分も自作アンテナはアバウトですよ^^;適当~な材料でSWR何とか
下げて、やってました自分も。

>green_blue_skyさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
実物はシリンダーの外径が15mm、全長も30mmぐらいしかありませんからね
製作は被るタイプの拡大鏡を使いながらの製作です、さすがに裸眼では無理です
老眼ですからね^^;

by kinkin (2014-09-15 18:35) 

orange

碁盤かと...思いました^^?
by orange (2014-09-15 23:07) 

YUTAじい

おはようございます。
やはり旋盤の導入が・・・そうすればデアゴとサヨナラ出来ますね!
凄いです・・・
by YUTAじい (2014-09-16 07:20) 

駅員3

ワンオフで部品を作られてしまうところが凄いですね(^^)/
by 駅員3 (2014-09-16 08:06) 

kinkin

>orangeさん
こちらにもコメントありがとうございます。
碁盤ですか、確かにマス目ありますからね。緑のシートになのでオセロのコマに
見えちゃうかも知れません^^;

>YUTAじいさん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
旋盤欲しいです!!でも置き場所と作業場所が・・・・上手く行きません。

>駅員3さん
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます。
金属加工は工作機械無いので加工は出来ませんが、プラなら今回みたいに
何とかなります。と、言う訳で素材検討しつつ今回は設計してみました。
正直、失敗かと思ったんですよ^^;

by kinkin (2014-09-16 08:57) 

きたがわさちこ

kinkinさんは確実にお作りになりたいものを
確実に3D化されていきますよね。すごいなぁ~。
部品のひとつひとつがすでに立派な「作品」です!!
by きたがわさちこ (2014-09-16 09:11) 

kinkin

> きたがわさちこさん
こんにちは、いつもご覧いただきありがとうございます。
いえいえ、他の部分を作り込んでいますから、手を抜く訳にいかないんですよね
バランスが崩れてしまうので・・・・それだけの理由なんですよ^^;
by kinkin (2014-09-16 13:16) 

今造ROWINGTEAM

大会期間中、ブログへ応援コメントをしてくださって
ありがとうございました((*´U`)ノ♥
おかげさまで良い成績を収めることが出来ました。
今後とも今治造船ボート部の応援を宜しくお願いします。
取り急ぎ、御礼コメントをさせていただきました。
またのぞきに来ます♪

ねね
by 今造ROWINGTEAM (2014-09-16 16:56) 

トータン

素晴らしい出来ですね~これなら3Dプリンターも逃げ出すのではないでしょうか? 3Dプリンター裸足?(^^;
by トータン (2014-09-16 19:10) 

美美

丸いものが丸く切り出せるのって凄いですね!
私がやったらだんだん小さくなりそうです^^;
by 美美 (2014-09-16 19:35) 

kinkin

>今造ROWINGTEAM ねねさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
戦果が実って良かったですね、これからもがんばって下さいネ、影ながら応援
させて戴きます。

>トータンさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
打倒3Dプリンター!!って違うか、手作り派で頑張ります^^;

>美美さん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
これね、テクがあるんですよ^^;自分も何度材料を加工しながら無駄にしたか・・・
極意!!素直になる事!?根性曲がっていると真っ直ぐ行きません??
冗談はこれくらいにして、自分もかなり苦労しています^^;

by kinkin (2014-09-16 20:36) 

ロートレー

3mmパイの真鍮棒の中心に1mmパイのピンを差す穴を開けましたね
どのようにして位置決めされたのでしょう
by ロートレー (2014-09-16 20:36) 

kinkin

>ロートレーさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
3点割り出ししました。3本のケガキ線使えばほぼ真ん中の位置出し出来ます。
(外径最大になるようにケガキを3方向(ほぼ120°均等)から引けば芯がほぼ
出ます)
by kinkin (2014-09-16 20:56) 

ニッキー

こんばんわ~
プラ板からこんなにリアルな形状ができるなんてすごいです。こんなに小さくて精密って、ひとつひとつを指でつまむのさえ、苦労しそうに思えます。お疲れ様でした。
by ニッキー (2014-09-16 21:09) 

kinkin

>ニッキーさん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
拡大鏡使いながら、震える手を抑えつつの作業でした^^;特にダミーボルトは
ピンセットで摘まむのが大変で・・・・・
話は変わりますが、ニャン'sたちは元気そうですね。
by kinkin (2014-09-16 21:19) 

YUTAじい

おはようございます。
地震もですが携帯の音に驚かされました。
頑張ります。
by YUTAじい (2014-09-17 08:20) 

さといも野郎

うわぁぁ、、、これも作っちゃうんですか(^^
確かにみなさんおっしゃる通り、3Dプリンターを投入、というのもアリかと。
by さといも野郎 (2014-09-17 21:24) 

kinkin

>YUTAじいさん
自分の携帯は緊急地震速報のアラーム鳴らなかったんですよね、品川の方が
震度低かったせいでしょうか・・・・

>さといも野郎さん
こんばんは、いつもご覧頂きありがとうございます。
ちょっと、クラ~ッて3Dプリンターに・・・^^;
でも手作り派の自分ですから拘って手作りし続けますよ、何せ3Dプリンタ買う金
どうあがいても出て来ませんから^^;(これ本音)

by kinkin (2014-09-17 21:43) 

ようこせんせい

忘れないで、お気に留めていただいてありがとうございます。
また、ボチボチ書き込みますのでよろしくお願いします。

何か気の利いたコメントを、と思いますが
碁盤と碁石に見えた私には難しくてわかりません<m(__)m>
by ようこせんせい (2014-09-20 18:47) 

kinkin

> ようこせんせいさん
こんばんは、コメント返しありがとうございます。
いえいえ、自分のblogはオタッキーな内容の記事ですので・・・・^^;
記事内容についてコメントは無理強い致しません(^^ゞ
これまで、ようこせんせいさんの記事を心温まる形で拝読させて頂いて
おります。今後も宜しくお願い致します。
by kinkin (2014-09-20 19:14) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。